産業技術アカデミーを始めた理由
製造業の現場には、「教わる環境がないまま、手探りで仕事を覚える」人が少なくありません。私自身がまさにそうでした。20代半ばで部署の立ち上げを任されたとき、体系的に教えてくれる人はいませんでした。過去の文書を読み込み、関連機関に電話をかけ、社内外に頭を下げて回りながら、一つひとつ覚えていくしかなかった。遠回りの連続でした。
その後、医薬品・化粧品・医療機器・食品・自動車部品と複数の業界で品質に携わる中で、気づいたことがあります。業界が変わればルールや重点は変わるけれど、品質の本質には、どの現場にも共通する考え方がある。にもかかわらず、それを体系的に学べる場が製造業にはほとんどない。現場で使われている教材の多くは、文字ばかりで実務につながりにくく、忙しい中で読み通せるものではありませんでした。
もっと早く、もっと分かりやすく、全体像をつかめる形で学べていたら。あの頃の自分のように遠回りする人を、一人でも減らせたら。そう思って立ち上げたのが産業技術アカデミーです。新人が自分で基礎を学べる環境が整えば、ベテランは繰り返しの説明や資料作成から解放され、本来の仕事に集中できるようになります。教育の仕組み化は、個人の成長だけでなく、企業の生産性と利益率を高めることにも直結すると考えています。
遠回りしなくていい学びをつくること。
文字だけで終わらない、現場で使える教育を届けること。
そして、品質をより広く深く捉えられる人材を増やすこと。
それが、このサービスを始めた理由です。